不動産実務検定ブログ

2021/02/03

『敷金・礼金って何?なぜ払うの?』<前編>



みなさん、こんにちは。
J-REC事務局の横山千穂です!


今回のテーマは


『敷金・礼金ってなに?なぜ払うの?』


そんな疑問に前編後編に分けて
全2回シリーズでお送りします!


突然ですが、部屋を借りるときの
礼金って不思議に思ったことはないでしょうか?


敷金の目的はなんとなくわかるけれども、
大家さんにはまだ何もお世話になっていないし

 

礼金はなんで払わないといけないの?



そう感じながらも部屋を借りるときに
礼金を支払った経験のある人は多いと思います。


海外ではこの礼金の事を「サンクスマネー」と言ったりしますが、
部屋を借りるときにこの礼金を支払うのは日本だけの慣習です。


この礼金については、


「そもそも、なぜ日本には礼金という制度があるのか?」

「礼金にはどんな意味があるのか?」

「礼金を支払わないと契約はできないの?」

「交渉で礼金をまけてもらうことはできるの?」


など・・・疑問が沢山ですね。


春からの新生活のために部屋を探す人が増えますが、
今回は主に春から新生活を始める方向けの内容になります♪


ただ、不動産投資家にとってもいち早くこの時期満室にするための
敷金礼金設定のアイデアをお伝えしたいと思います!


これから部屋を探す人は、
よりお得に借りることができるようになりますし、


一方、空室を埋めたい大家さんは、
早期満室を達成できるようになりますので、


ぜひ、最後までお付き合いください♪


まず最初は、

 

「そもそも礼金とは何か!?」



について解説します!


新生活を始めるために物件を探すと、
敷金礼金が必要という物件が多くあります。


ちなみに、

 

礼金は法的な根拠がない費用です。



それでも支払うのが当たり前になってしまっているのは、
歴史的な背景からであって、

 

日本独自の習慣なんです。



そこでまず、どんな歴史からこの礼金という制度が
出来たのかについてお話します。


歴史的にこの礼金の意味合いは、

 

「謝礼」と「ご厄介金」



の、2つの意味合いがあると言われています。


まず、「謝礼説」ですが歴史をさかのぼると
1923年に発生した関東大震災までさかのぼります。


当時の大地震では家が倒壊してしまったり、
火事で焼失してしまった人達が多かったようです。


そして、そういう人達が大家さんにこぞって家を借りに走ったために、
一気に貸し手市場になってしまったわけです。


そこで大家さんにこっそり裏で「謝礼」を渡すことによって
部屋を優先的に都合してもらったのが礼金の始まりだと言われています。


もちろん、太平洋戦争の時にもこのような習慣は残っていて
その名残が今の礼金となっているというのが有力な説なんです。


そして、もう一つの説は「ご厄介金説」です。


高度成長期の1960年代は地方から集団就職などで
東京に下宿する学生の親御さんが大家さんにあてて


「ご厄介かけますがどうぞよろしくお願いします」


という意味合いを込めて贈ったものが
礼金となったという説があります。


いずれにしても、このような歴史的背景から
礼金とは大家さん「ひいき」してもらうように、


あるいは「ひいき」に対する感謝の心付けとなって
この礼金のスタイルが東京から地方に広がっていったんだと思います。


ただ、例外的にこの礼金の習慣が根付かなかった
大阪や北海道などの地域もありますので、

 

全国一律に礼金が必要となっているわけではありません。



ちなみに、今の礼金は契約に際して当然に徴収するスタイルとなっていて、
感謝の意味合いを込めて渡すものとは程遠いものになっています。


以前までは礼金は2ヶ月分取る地域が多かったのですが、
2000年代になり全国的な供給過剰になって、


現在の礼金は0~1ヶ月程度が一般的になっています。


さて次に、

 

「そもそも礼金は支払う必要があるのか」



についてお伝えしていきます。


実は礼金には裁判の判例もあって


礼金の法的性質が賃料の前払いで、
その有効性を認めるという判決があるので


これを法的に無効だと主張することはできないと思います。


例えば礼金1ヶ月の物件があったとして、
「契約したいけどお礼金は支払いたくない」と言ったら、


「じゃあ、お宅には貸しませんんよ!」
と、断られて終わりになるでしょう


しかし、強気な交渉ではなく、
「予算がないので少し勉強してくれませんか?」と言われれば、

 

礼金を半額、またはタダにしてくれるケースもあるでしょう。



大家さんもこのお客さんを逃したらまた数ヶ月分の家賃を
損するというふうに天秤にかけますから、


もし部屋が気に入っている場合なら、
ダメ元で交渉してみるのもありだと思います!


結構交渉次第で、
礼金が安くなるケースは多いと思いますよ♪


前編はここまで!


次回の後編では「敷金」についてお伝えします!



 

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一般財団法人 日本不動産コミュニティー
J-REC事務局 横山千穂