不動産実務検定ブログ

2021/01/15

『住宅ローンは繰り上げ返済しちゃダメ!その理由とは 第2回』<全2回>→<全3回>



みなさん、こんにちは。
J-REC事務局の横山千穂です!


前回より全2回シリーズでお送りしております


『住宅ローンは繰り上げ返済しちゃダメ!その理由とは』


ですが、全てを2回ではお伝えしきれないということが判明し、
急遽全3回シリーズに変更させていただきます!


▼『住宅ローンは繰り上げ返済しちゃダメ!その理由とは 第1回』
https://www.j-rec.or.jp/blog/371


今回は第2回です!


ぜひ、最後までお付き合い下さい♪


今回は繰り上げ返済のメリットデメリットについて
詳しい説明からスタートいたします。


例えば


◎ 借り入れ 5,000万円

◎ 金利 0.5%

◎ 35年返済ローン


を、20年後に退職金1,520万円で
全額繰上返済したらどうなるでしょうか。


ここではずっと金利の変動がないものとして
繰り上げ返済をしない場合は、


35年間で総額5,451万円を払うことになります。


ここで、20年後に退職金で
残債1,520万円を一括返済したとすると


残りの15年間分の金利約51万円を
節約することができます。


次にデメリットですが、


それは繰り上げ返済をしてしまうと
手元の資金がなくなってしまうということです。


例えば先ほどのように退職金で一括返済したことで
その後、毎月の生活が苦しくなってしまっては本末転倒ですし、


大きな病気をした時なども
手元に十分な資金がなければ困ってしまいます。


または団体信用生命保険、
いわゆる団信の保険料が金利に含まれている場合は


一括で繰り上げ返済してしまうと
もしもの時の生命保険もなくなってしまいます。


なので、繰り上げ返済する時にはもともと
堅実な計画の中で繰り上げ返済するとか、


相続や贈与などで予想外の一時金があった場合に
検討すべきものだと思います。


ここまでの説明での結論は、
繰り上げ返済はしない方がいいということになるのですが


その理由について具体的に解説いたします。


繰り上げ返済をお勧めしない大きな理由はずばり、

 

今は金利が激安なので
繰り上げ返済のメリットがほとんどないから



先程と同じ


◎ 借り入れ 5,000万円

◎ 金利 0.5%

◎ 35年返済ローン


こちらのケースで10年後に500万円繰り上げ返済した
ケースをシミュレーションしてみます。


すると返済額軽減型の方は


月々のローン負担は17,789円減り、
金利の総支払額は318,965円ほど少なくなります。


年間の金利負担額の減少は残りの期間25年間で割ると
たった12,758円の節約にしかなりません。


500万円も繰り上げ返済して
年間12,758円の節約にしかならないんです。


これだと繰り上げ返済する意味がありません。


そしてもう一つ、
繰り上げ返済をお勧めしない2つ目の理由は、

 

住宅ローン控除のメリットもなくなってしまうから



例えば、500万円繰り上げ返済するということは
その年の住宅ローン控除も


500万円×1%=50,000円分の
控除がなくなってしまうんです。


500万円を繰り上げ返済して節約できる金利は
年間たったの12,000円程度ということは、


繰り上げ返済をしないで50,000円の住宅ローン控除を
使った方が得ということになります。


ちなみにフラット35の固定金利1.3%で
シミュレーションしてみても、


年間節約できる金利はわずか34,000円程度でした。


確かに昔のように住宅ローンの金利が3%も4%もあった時代は
繰り上げ返済のメリットはあったと思いますが、


この超低金利の時代に繰り上げ返済するのは
ほとんどメリットがありませんので

 

繰り上げ返済はしない方がいいというのが結論になります



住宅ローンはあらゆるローンの中で一番借りやすく
一番金利が安いローンです。


そのローンを一旦繰り上げ返済してしまうと
その後お金が必要になった時でもその時の経済状態で


改めて追加で融資を受けられるとは限りませんので
そういった意味でも繰り上げ返済はしない方がいい
ということになります。


でも、そうは言っても
繰り上げ返済をした方が良いケースもあります。


それは、変動金利で借りていて
その変動金利が急激に上昇した時です。


また、高い金利から安い金利へ借り換えた場合は
前に借りていたローンを


当然繰り上げ返済しなければいけませんので、
この場合はOKです。


ここまでの話で、
今の超低金利時代の住宅ローンなら


まとまった資金ができても繰り上げ返済はしない方がいい
ということがわかったと思います。


むしろまとまった資金ができたらそれを不動産投資や株式投資などの
資産運用に回したほうがいいでしょう。


今回はここまでです。


次回は資産運用について詳しくお届けいたします!



 

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一般財団法人 日本不動産コミュニティー
J-REC事務局 横山千穂